Kanye West の『808s & Heartbreak』(2008年)は、KAWS がジャケットを描いた、ヒップホップ史上屈指の簡潔さと感情性を備えた作品です。しぼんだ赤いハート形の風船が暖かなクリーム色の紙にひとつ浮かび、鮮烈な黄色の差し色と細い黒線に囲まれています。オートチューンによる哀愁と、コンセプチュアルアートの簡素さを主流のラップへ持ち込みました。
その美学は修道院のように禁欲的です。彩度の高い物体をひとつだけ置き、広大なクリーム色の余白、ゆったりとした字間、編集的な抑制を貫きます。感情は装飾ではなく、物体を取り巻く静けさに宿ります。