Audubon の『Birds of America』は、19世紀北米の博物誌が到達した頂点を示します。実物大の鳥をセピアブラックで版刻し、アクアチントの上から幾層もの水彩で手彩色しています。このシステムは温かな土色で語ります。版画の茶、ガンボージの黄土、葉の緑を、古びた Whatman 製ぼろ布紙そのままの淡い黄褐色に載せます。
文字組みは当時の活版印刷に従い、Caslon と Garamond の人間味あるセリフ体を使い、各標本の下にはラテン語の二名法を斜体で添えます。構図は非対称で裁ち落としとなり、サギが紙に収まるよう身を曲げた原画の姿を受け継ぎます。平坦さやデジタルらしさはなく、あらゆる面に二世紀を経た紙の繊維と版の圧痕が残ります。